El Calentito

chopmypop2005-09-26


El Calentito(ヒステリック・マドリッド
監督:チュス・グティエレス
スペイン 2004

先週行われたHISPANIC BEAT FILM FESTIVALで見てきました。
80年代初頭の音楽ムーブメント、モビーダマドリレーニャの雰囲気が
わかる作品ってことで、楽しみにしてました。


厳しい親の目をくぐりぬけて、流行のクラブに遊びにいった
サラが女3人のパンクバンドに加入することになってしまい、
メジャーデビューに向けたコンサート当日、軍のクーデターが
起こってしまう...

筋書きとしては、これ以上もこれ以下もなく、想像とおりに話は進む。
それでも楽しめたのはアラスカ以外のモビーダの音楽を楽しめること、
モビーダと81年の軍のクーデターを結びつけながら考えられたこと。

モビーダといえば、アラスカと、アルモドバルがいつもでてくるのだが
映画のサントラをチェックすると、ポップ黄金時代、と名打った80年代コンピにも
収録された、モビーダを代表するグループが収録されている。
(Derribos Arias、Parálisis Permanente、Zombies、Pistones
Los Nikis、Décima Víctima、Aviador Dro、Aerolíneas Federales、Almodóvar & McNamara)
主人公のバンドであるLas Siuxの曲はやっぱり見劣りしてしまうけれど
Bailamos Fatalは結構いつまでも耳に残った。


81年という年は、アラスカの自伝本についている年表を確認すると、
アラスカはLos Pegamoidesに在籍、世間でモビーダマドリレーニャについてが語られ始めた、とある。
既に79年頃には、Radio Futuraや、Zombiesは現れ始めているから
81年には既にモビーダ創始者によるモビーダの第一時期の完成を向かえていたのだと思う。

ちなみにアルモドバルのモビーダ映画"Pepi, Luci, Bom y otras chicas del montón"は80年の作品でこの映画の舞台の1年前。
この81年あたりからはそのフォロワーが現れていてもおかしくない。
この年アラスカのLos pegamoidesは純粋のパンク、というよりは既にニューウェーブ
洗礼も受けた感じになっているから、映画のバンド、Las Siuxなんかはもろパンクで、
流行を追いかけるフォロワーだったんだろうなあ、と想像できる。


軍のよるクーデターは、「地面に伏せろ!」という怒号とともに
国会内で発砲音がするところがラジオで放映されていたのは有名だが、
この映画にもでてくるように、国王の介入によって軍が鎮静化され、
フランコの死後、民主主義とも、独裁主義のなごりともどっちつかずの
体制を保ってきたスペインが民主主義に大きく動きだす1歩となる。

モビーダが本格的になり(またはブームとなって、陳腐化し始める??)
同時に民主化の1歩を踏み出した年。
この映画をみるとそんなことが読み取れるような気がする。



ちなみに、この映画でもスペインの偉大な?飲み物コラカオが登場する。
(Nadie conoce a nadieにも、コラカオ飲む?っていうシーンがある)
このネスクイックに似たココア風味の飲み物はとりあえず落ち着く?
みたいなシーンにいつもでてくるなあ。


映画のHP↓
http://especiales.ya.com/el-calentito/
Las Siuxの曲の試聴(ビデオ)↓
http://especiales.ya.com/el-calentito/videos/
Los Nikis ビデオ↓
http://www.yatv.com/video/yatv2_video_v_44498_1.html#
Aerolíneas Federales ビデオ↓
http://www.yatv.com/video/yatv2_video_v_44482_1.html#
コラカオ↓
http://www.colacao.es/